終天


もし、また君に出会うことが出来たなら。
君はまた、僕にあの眼差しをむけるのだろうか。

言えない言葉をいくつも心に沈めた、湖のような眼差しを。
スリルと命を天秤にかけた。
君の世界はあの日変わった。

気がついていたはずなのに、引き戻せない現実が。
君をたったひとりにした。

君が掴むはずだった光の未来。
描いた未来が小さくなった時、君は。
何かに気がついて初めて足を止めた。
その手に残ったのは、かすかな栄光と偽りの正義。
最後まで君は、自分がひとりだと認めなかった。

君のプライドの高さ、そして現在地を知らない狭い視野。
僕はそんな君を誇りに思うよ

僕を何より苦しめるのは。
君を抱きしめる腕を失ったことだけ。
泣かないで、僕は傍に居る。
君が気がつかないだけで。

君はひとりで生きてきた。
真実を探して生きてきた。その時間は決して無駄なものじゃない。
泣かないで、恐れないで。
君の残した足跡には、かつて絶望の色を浮かべた瞳が、笑っている今がある。
何が過ちで何が正しいのか、僕には分からないけれど。
もし、また僕が君に出会うことが出来たなら、僕は君を抱きしめようと思う。
たったひとりで生きてきた君へ。
精一杯の笑顔と共に
君のシグナルを青に変えてみせるから


2006 12 27更新終了

ソラノソコ管理人 コウ


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